認知症の予防

なにを食べるかだけでなく、食べ方も大切です。

バランスのよい食事

認知症を予防するための食事とは?

昔から「医食同源」という言葉があるように、食事は私たちの健康を左右する重要なものです。食生活の乱れは、生活習慣病などの病気につながりますし、栄養のとりすぎや不足によって引き起こされる病気もあります。だからこそ、食事内容を見直すことで病気を予防できる場合があります。
※医薬と食事は根源を同じくするものという考え方をいう

認知症を予防するうえで、食事に気をつけることは大切です。認知症と食事との関係については、これまで数多くの研究が行われてきました。少しずつ認知症予防に関与するものや避けたほうがよい食事がみえてきています。食事のバランスに気をつけながら、次のようなポイントを意識してみましょう。

○糖質をとりすぎない

ごはんやパン、いも類、清涼飲料水などに多く含まれる糖質のとりすぎは、糖尿病はもちろん、動脈硬化や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こす要因になります。動脈硬化や高血圧は脳卒中の発症リスクですから、血管性認知症のリスクでもあります。また、糖尿病になり、体内のインスリン量が増えると、アルツハイマー型認知症の原因といわれているアミロイドβが分解されにくくなります。糖尿病を予防することは、アルツハイマー型認知症を予防するうえでもとても大切です。

○食べ方に注意する

糖尿病や動脈硬化、肥満を防ぐには、糖質の量を調整するだけでなく、食事を食べる順番にも注意が必要です。
基本的に次のような順番で食べると、血糖値の急激な上昇が防げるといわれています。

  • 野菜などの食物繊維

  • 肉や魚などのタンパク質・脂質

  • ごはんやパンなどの炭水化物(糖質)

また、早食いも生活習慣病になるリスクを高めることが知られています。よく噛んでゆっくり食べることを心がけましょう。

○魚や野菜・果物・ナッツ類を食べる

いくつかの研究では、魚を習慣的に食べることで、アルツハイマー型認知症や血管性認知症を予防できると報告しています。DHAやEPAを多く含む、イワシやサバ、アジ、サンマなどが有効です。魚は、少なくとも週に1回は食べたほうがよいとされています。また、ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどを含む緑黄色野菜や果物にも、アルツハイマー型認知症の予防効果が期待されています。

○コーヒーや緑茶を飲む。お酒は適量を

コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは、認知症予防に効果があるという説があります。ただし、飲み過ぎは禁物。
お酒と聞くと、なんだか認知症に悪そうな気がしますが実はそうではありません。研究によれば、少量〜中量程度の飲酒は、認知症の発症率を低下させるといわれています。ただし、こちらも飲み過ぎは逆効果になりますし、アルコールに弱い人が無理して飲むのは危険です。

地中海食が注目されています

認知症予防に効果があるのではないかと、近年注目されているのが「地中海食」です。これはその名の通り地中海周辺の国(イタリア、スペイン、ギリシャなど)の食事です。
地中海食の特徴としては、野菜・果物、穀物、豆類、ナッツなどの植物性食品が豊富なメニューが多く、地産地消を基本としています。また、調理の際は、コレステロールを軽減する作用のあるオリーブオイルを使います。
海外では、地中海食が認知症になるリスクを下げるというという研究報告があります。

監修 東京大学大学院医学系研究科
   老年病学 准教授
   小川 純人 先生

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