療養生活を支える制度

がんになったことで生じる悩みに対して、家庭の負担を軽減するための窓口があります。

高額療養費制度

がん相談支援センター

がんの治療を行っている病院の多くに、がんに関する悩みなどについて相談できる窓口があります。また、全国の「がん診療連携拠点病院」「小児がん拠点病院」「地域がん診療病院」には、「がん相談支援センター」が設置されています。
がん相談支援センターは、がんに関するさまざまな相談ができる窓口です。がん相談支援センターには、がん専門相談員などが配置されており、がんという病気や治療のこと、がん検診、セカンドオピニオン、療養生活、就労、患者会の情報など幅広い相談に対応しています。その病院にかかっていなくても、地域の誰もが無料で利用できます(予約の必要な場合があります)。
これらの相談窓口には、多くの場合、社会福祉の立場から患者さんや家族を支える医療ソーシャルワーカー(MSW)という専門職や、公的支援に精通したスタッフがいます。

高額療養費制度

高額な医療費の支払いに対して、「高額療養費制度」を利用することで経済的な負担を軽減できます。
ひと月(その月の1日から末日)に医療機関や薬局の窓口での支払いの合算額が、一定の金額を超えた場合に、その超えた分が支給される制度です。患者さんが負担する費用の上限額(自己負担限度額)は、年齢や所得によって異なります。
高額療養費制度の対象になるのは、検査代や手術代、薬代など、公的医療保険(健康保険、船員保険、共済保険、国民健康保険、長寿医療制度)が適用されるものであり、入院中の差額ベッド代や食事代は対象外です。

高額療養費制度にはさらに患者さんの負担を軽減するしくみもあります。世帯合算といって、1人では上限額を超えない場合も同じ世帯の別の人の支払額を合わせて上限額を超えれば高額療養費の申請が可能です。また、多数回該当といい、過去12カ月以内に3回以上上限額に達した場合には、次回から上限額が引き下げられます。かかっている病院の患者相談窓口や全国の「がん診療連携拠点病院」「小児がん拠点病院」「地域がん診療病院」にある「がん相談支援センター」にご相談ください。

 【70歳以上の方の上限額】

*標報:標準月額報酬のこと

たとえば、70歳以上で年収が約370万円〜770万円の範囲にある医療費3割負担の人が、治療費として100万円かかった場合、窓口で支払う金額はその3割の30万円となります。ここで高額療養費制度を使うと、上記の表の計算を当てはめると、実際の自己負担額は87,430円になります。

 【69歳以下の方の上限額】

*標報:標準月額報酬のこと

高額療養費を申請して上限額を超えて支払った額が支給されるまでには3カ月ほどかかります。入院する際に、あらかじめ上限額を超えることがわかっている場合「限度額適用認定証」の手続きをしておくことで、窓口での支払いが上限額までに抑えられます。加入している医療保険にお問い合わせください。

【参考】
厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆様へ」〈https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html 〉(参照日2021年12月10日)

監修 神戸大学医学部附属病院
   腫瘍・血液内科 教授
   腫瘍センター センター長
   南 博信 先生

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