療養生活を支えるケア

がんは病院での治療とともに
食事や運動など日常のケアも大切です。

日常ケア

がんのリスクを減らす健康習慣

がんの原因はいまだ解明されていません。しかし、さまざまな調査研究から、がんになるリスクというものが少しずつわかってきました。再発防止の観点からも「禁煙」「節酒」「食生活の見直し」「適度な運動」「適正体重の維持」という健康習慣が推奨されています。

〇禁煙

たばこは肺炎など術後の重大な合併症のリスクを高めます。がんにかかる前から禁煙すべきですが、がんにかかってしまったら、これを機に禁煙しましょう。たばこを吸わない人も受動喫煙となる環境を避けるようにしてください。
「禁煙外来」を設けている医療機関は増えており、禁煙補助薬を使った禁煙プログラムに基づく禁煙治療を、保険診療で受けられる場合もあります。

〇節酒(禁酒)

お酒の飲み過ぎはがんのリスクを高めます。とくに食道がんやのどのがん、大腸がんとの関連が強く、乳がんのリスクも上げることがわかっています。

〇食生活の見直し

がんの治療前、治療中、治療後は、栄養状態を良好に保つことが大切です。治療の影響で食欲がないというときは、管理栄養士のサポートを受けましょう。栄養状態を保つことは治療後の体力の回復にも大切です。

がんのリスクを高める食習慣として、塩分の過剰摂取や熱すぎる飲み物や食べ物は避け、野菜や果物を積極的にとるようにします。

〇適度な運動

よくからだを動かす人ほどがん全体の発生リスクは低くなるといわれています。がんの治療前、治療中、治療後は、そのときどきのからだの状態に合わせた適度な運動を行うことによって、治療後の回復を促すことができます。
最近は、がん医療でもリハビリテーション(リハビリ)が重視されるようになっています。

〇適正体重の維持

さまざまな調査・研究から、太りすぎでもやせすぎでもがんのリスクが高くなることがわかっています。閉経後の女性では肥満が乳がんのリスクと考えられています。男性でBMI値21~27、女性は21~25の範囲であることが、がんに限らず健康な状態を保つと考えられています。

がんのリハビリテーション

がんと診断されたらすぐに行う予防的リハビリ、治療とともに始める回復的リハビリ、再発・転移がわかったときからの維持的リハビリ、そして緩和的リハビリがあります。リハビリテーション科の医師のほか、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士などの専門職が患者さんを支えます。

〇予防的リハビリ

治療前からのリハビリは、手術の合併症を予防し、治療後の回復を促します。
がんそのものや、治療(外科治療、放射線治療、薬物療法など)、合併症による機能障害を防いだり、最小限に抑えたりするために行います。

〇回復的リハビリ

治療による機能障害や、筋力や体力の低下を可能な限り回復させるために行います。術後の早期離床を促す離床リハビリ、術後肺炎などを予防する呼吸リハビリが中心となります。

〇維持的リハビリ

がんが進行すると、さまざまな機能障害が起こり始めます。そこで、患者さんの状態に合わせて運動能力をできるだけ保ち、可能なら向上させるためのリハビリを行います。

〇緩和的リハビリ

QOL(生活の質)を保つためのリハビリです。身の回りのことをできるだけ自分でしたい、散歩をしたいなど、患者さんの要望がかなえられるような支援が提供されます。

がんサバイバーのための運動ガイドライン

がんと診断され、治療を終えた後も患者さんの人生は続きます。そんながんサバイバーの方たちに向けた運動に関するガイドラインが、開発されました。
ガイドラインでは、がん治療中では、どうしてもからだを動かす機会が減りますが、無理のない範囲で運動をするように呼びかけています。
1回30分程度、ウオーキングなどの有酸素運動と筋力トレーニングを週3回行うことを推奨しています。

監修 神戸大学医学部附属病院
   腫瘍・血液内科 教授
   腫瘍センター センター長
   南 博信 先生

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